他校の君。【完】
Side 香澄
一臣君がジーッとあたしを見つめるから、クレープを食べる一口一口がかなり小さくなる。
そんなに見られると恥ずかしいんだけどなぁ…。
クレープに夢中になっているフリをして一臣君の様子をチラチラと伺う。
(ど、どうしよう…)
一臣君がまだあたしの事を見てる。
意識し過ぎちゃうのに。
「一臣君」
「何?」
「クレープ食べないの?」
「食べるけど」
「けど?」
「今はクレープより香澄を食いたいんだけど」
「………え?」
あたしを食べたい?
「???」
どう言う意味?
あたしは食べれないよ?
不思議に思いながら首を傾げると、
「………。そうか。香澄の反応ってこうなるのか」
何故か一臣君にがっかりされた。