他校の君。【完】



もうね?

ボンッ!って顔中が熱くなるぐらいじゃ足りなくて、

叫びたくなるくらいに恥ずかしくなっちゃって、


「ー~っ!」


あたしは片手で自分の口元を抑えながら声を出さずに身悶え始める。

恥ずかしくて恥ずかしくて恥ずかしくて。


(…でも、)


嬉しくて。

唇じゃないけれど、キ…キ…ス…みたいな事しちゃうって事は、

あたしが一臣君の彼女だから、なんだよね?


(って、は!!)


唇があたしの唇の隣に触れて喜んじゃうあたしってもしかして、


(え、えっちなんじゃないの!?)


え、どうしよう。

こんな、こんな事一臣君に知られちゃったら嫌われちゃ…


「くっ」

「……へ?」


本気でどうしようかと焦り始めたら、聞こえた一臣君の声。

視線を一臣君に向けると、


「……っ」


一臣君が肩を震わせて、笑うのを我慢していた。


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