他校の君。【完】
ー…
………
「じゃあ、またな」
バカだと言ったら、落ち込んだ武。
けど、あっさり復活して途中の駅で降りて帰っていった。
他のヤツらも次々と降りて行き、あと二駅となった頃には車内に残ってる乗客がほとんどいなくなっていた。
誰が車内にいるとか、さして気にも止めず、武が降りる直前に言っていた事を窓の外を眺めながら思い出す。
『一臣、頼みがある』
『何だよ』
『あの子可愛くないか?』
『……は?』
武がチラチラと見ていた視線の先にいたのは、さっき、からかわれてた女子。
『声かけろよ』
『…何で』
『一臣の見た目なら簡単に友達になれるだろ?で、友達になったら紹介して』
『…断る』
『じゃあ。いい』
断ったら、あっさりと引いた武に拍子抜けしてしまうと、
『親友使うのってやっぱダメだよな。自力で頑張るわ』
と一人で勝手に頷いていた。