他校の君。【完】
俺、どんだけ欲求不満なんだとか自分に呆れてしまう。
香澄を大事にしたいし、嫌われたくないから、今の所キスすんのは何とか我慢している。
ってか香澄にキスは絶対早すぎる。
唇ギリギリを外してしただけであんな可愛い反応するんだぞ。
まだ無理だろ。
それを分かってる。
分かってるけど、
触れたい、と思う俺は…。
(…ダメだ)
ここは男として何とか余裕を持たねーと。
そうだ。
部活に集中しよう。
そしたら雑念とか無くなる。
「一臣」
「何ですか、部長」
「あんまり我慢すると後で後悔するぞ」
「何の事ですか」
かなり真剣な表情を浮かべた部長に後悔すると言われたけど、それが何に対して後悔するのか分からない。
「お前、なんか微妙に俺に似てるから、考えてる事が若干分かるんだよな」
「はあ、似てますか?」
そんなの思った事ねーけど。
「顔とかそんなんじゃなくてな?性格っつーか、彼女に対しての考え方っつーか」
「考え方?」
「お前、手が出せないとか思ってねえ?」
「………。思ってますね」
何で分かるんだこの人。