他校の君。【完】
Side 香澄
一臣君がそんな事を悩んでるなんて全く知らないあたしは、毎日幸せだなーと思いながらのほほんと過ごしていた。
そして明日からいよいよ学園祭。
「香澄、キャベツは?」
どう?と聞かれて、お好み焼きの屋台用に自分が切ったキャベツを見下ろす。
「……。」
形は見事にバラバラ。
小さかったり大きかったりする。
お祭りの時にヤキソバを鮮やかに作っていた一臣君とはあまりに違い過ぎる。
(これじゃあ多分、ダメだよね?)
簡単に出来るらしいクッキーでさえカチカチに固くなるあたしは多分、料理の才能が無いに違いない。