他校の君。【完】
明日の作る班じゃなくて良かったと、一人でホッとしていると、あたしの手元を見たみっちゃんが何故か無言になった。
「みっちゃん?」
「あ、うん。香澄は確かお菓子とか作るの苦手だったもんね?」
あはは、とどこか渇いた笑い方をするみっちゃんに首を傾げると、
「うん。香澄はそれでいいと思う。可愛いから」
って言われた。
どう言う事だろう。
よく分かんない。
うーん?と今度はさっきと逆の方向に首を傾げてから、あたしはキャベツをもう一玉とった。
すると、
「あ、香澄!こっちにお菓子あるからおいで」
別の友達に呼ばれた。
「でも、キャベツ…」
「料理の上手い蜜華がやってくれるから!」
「でも」
みっちゃん一人にさせるのは申し訳ないよとみっちゃんを見ると、
「香澄はお菓子食べてきなよ」
みっちゃんがもの凄い速さでキャベツを切り始めた。
タタタタッてなってる。
「おおー、みっちゃん、職人」
「うん、だから行っておいで?」
みっちゃんがにっこりと笑ったから
「う、うん」
あたしはコクリと頷いた。