他校の君。【完】
寝ている彼女を眺めていたら、電車がスピードを落とし始めて、駅のホームに入った。
止まった電車。
最後の駅だから全ての乗客が降りて行く。
けれど、彼女は眠ったまま起きない。
起こしてやった方がいいよな…?
知らないとは言え、このまま放っておくのも可哀相だし。
立ち上がって、彼女の側まで行き、取り敢えず起こしてやろうと、『おい』と声をかけたけれど、彼女は起きない。
「あれ?そのお客さん、寝ちゃってる?」
彼女を起こす為にもう一度声をかけようとしたら、車内を確認して回っていた駅員に声をかけられた。
「そうみたいです」
頷いて彼女の方に向き直ると、彼女はやっぱり起きない。