他校の君。【完】
突然のお誘い
Side 香澄
一度話したからって、仲良くなれるなんて思ってない。
思ってないけど…
「……はあ」
学校の自分の席の机に片肘を付いて溜め息を吐いてしまうと、
「香澄?どうした?」
「……わっ!!」
もの凄く近距離で顔を覗き込まれて、びっくりしたあたしは大きくのけ反ってしまった。
そんなあたしにククッと愉し気に喉で笑う目の前の男の子は、幼なじみである、
カイタニ ユキ
海谷 雪。
名前だけだと女の子みたいだよね。
「ちょっと、雪!びっくりさせないでよ」
のけ反った身体を戻しながら、雪を睨みつけると、
「香澄が睨んでも可愛いだけだから」
と冗談を言われた。