他校の君。【完】
だって、だってあたし、昨日あんなに、
雪の事考えたりとか…。
と、そこまで考えてからはたと気付く。
きっと雪も気を遣ってくれてるのかもしれない。
告白してくれた雪にまで気を遣ってもらってるんだったら、余計に沈み込む訳にはいかない。
だからあたしは一度息を吐いてから、ゆっくりと目を閉じて気持ちを切り替えようとする。
忘れる訳じゃない。
無かった事にする訳じゃない。
けど、あたしも出来るだけ普通に。
うん、と心の中で頷いてから瞳を開くと、
「はよ」
そこにいたのは迎えに来てくれた大好きな一臣君。
「おはよう」
ぎこちなかったかもしれないけど、出来るだけいつも通りを試みると、一臣君がふ、と笑った。