他校の君。【完】


「そう言えばさっき合同練習って言ったよな?」

「う、うん。この間の三校合同の」


コクリと頷くと、一臣君があたしをジッと見下ろす。

その瞳に映る色は多分、


『こんなヤツいたっけ?』


だと思う。

一臣君がそう思うのも当然だよね。

だって三校だし。

人数的に60人以上いた。

あの人数の中、知らないあたしを覚えてくれてたら、凄いよりさらに上だよ。

だから、この反応は普通だよね。

ちょっと寂しいけど。


「…だから見た事あると思ったのか」


納得したように呟いた一臣君に、あたしは首を傾げてしまう。


見た事あると思った?

どう言う意味だろう?


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