他校の君。【完】
「???」
首を傾げたままでいたら一臣君に『こっちの話』なんて言われた。
(そ、そっか)
じゃあ教えてもらえないかぁ。
「………」
「………」
「………」
「………」
(ど、どうしよう…)
話が終わっちゃった。
途切れた会話。
このままだと一臣君が用は済んだと離れて行っちゃうかもしれない。
…だって、一臣の話は終わっちゃったし。
その一臣君に対して、お礼も言ったし、生徒手帳も受け取った。
だから、もう…
(…って、あれ?)
これってよくよく考えたらチャンスじゃないのかなぁ?
お礼がしたいんで、一緒に出掛けてくれませんか?って聞いたら、一臣君とどこかに行けるかもしれない。
(あ、でも、)
いきなり誘われて行く人なんていないかぁ。
…って言うか、どっちにしろ、恥ずかしくて誘えないや。