他校の君。【完】
一臣君と、武…君かな?
武君の会話を黙って聞いていると、
「一臣が興味示す女の子って、どんな…」
ニコニコしながら一臣君からあたしに視線を移した武君。
その武君があたしを見て言葉を止めて笑顔のまま固まった。
ビシリッて聞こえたかもしれない。
「???」
(何だろう。この反応)
首を傾げてしまうと、
「一臣!!お前!一臣もか!!」
我に返ったらしい武君が、一臣君に掴みかかった。
「ちょっ、離せ。武」
「一臣がライバルだと俺、確実に負けるだろ!」
「ライバルって。そんなんじゃな「何言ってんだよ!ライバルって言うんだよ!これは!」
「…言わねぇし、いい加減離せ。後、人の話を聞け」
「あ、悪い、興奮し過ぎた」
武君を一臣君が睨みつけたら、武君が慌ててパッと手を離した。
「二人って仲いいんだね」
こんな楽しそうにじゃれあうなんて。
ボソリとそう呟くと、一臣君が
「今のは仲いいにはならないだろ」
と、苦笑いした。