他校の君。【完】
「…は?香澄ちゃん、照れてるだけ?」
何だ、そうだったのかとあたしをジーッと見つめ始めた武君に恥ずかしくなって、話題を変えようと試みる。
「一臣君と武君ってどっちも苗字に杉が付いてるんだね」
武君の視線から逃れるように自分の視線もずらしながら聞くと、武君のジーッと見つめるような視線があたしから離れた。
「そうなんだよ。で、俺達にもう一人親友がいるんだけど、そいつも杉原って言って杉が付いてんの。何か凄いでしょ?」
「へぇ。そうなんだ?」
凄い偶然だね。
ホーッと感心していると、
「と、言う訳で香澄ちゃん。次の日曜…ってか明後日、暇だったりしない?」
と、突然予定を聞かれた。
『と、言う訳』の意味が全く分からない。