他校の君。【完】
遊園地デート?


ー…
………

「お姉ちゃん!あたしの服知らない?」


わたわたと服を探しながらも見つからなくて、リビングでソファーに座りながら彼氏さんが迎えに来るのを待っていたお姉ちゃんに聞いてみた。


「香澄の部屋?」


首を傾げて答えたお姉ちゃんにあたしはブンブンと首を振る。

そんなの分かってる。

けど、

「お気に入りの服だけ無いの!!薄いピンクのヤツ!」


お店で一目惚れして買ったピンクの服。

桜をイメージして作られたらしい服の色が凄く綺麗で形も可愛いかった。

部屋は綺麗にしてるから、見つからない筈無いのに。


「ああ…、拓に聞いたら?」

「拓海お兄ちゃんが知る筈無いでしょー?」


(もう、どこにあるの?)


間に合わなくなっちゃうよ、と半泣き状態になってしまうと、


「何で昨日の夜に用意しとかないの?」


と呟きながらも、お姉ちゃんがソファーから立ち上がった。

どうやら探すのを手伝ってくれるらしい。

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