他校の君。【完】
スギサワ カズオミ
杉沢 一臣君
彼は天海学園の一年生で弓道部。
学年は紺のブレザーを着ている彼のネクタイの色で分かった。
彼とあたしは同じ年。
けれど、他校生である彼をあたしが知っていても彼はあたしを知らない。
合同練習だからって、そんな簡単に仲良くなれる訳でも無いし。
普段の通学で、乗る駅が同じだって事も、彼は知らないに違いない。
ー…あたしも一臣君と同じ天海に行きたかったなぁ。
あ、でもあたしの頭じゃ無理か。