他校の君。【完】


え?

手。

手?

握…

え?

あれ?


「デートと言えば手、繋ぐだろ」


手を握られてちょっとだけプチパニックを起こしたあたしをニヤリと口角を吊り上げた一臣君が見下ろした。


「デ、……え?」

「だからデート」

(デ、デートぉお!?)


違うよ、一臣君。

デートじゃないよ。

皆で遊びに行くんだよ?

そんな、デートなんて恐れ多い(?)

プチパニックを続行していると、一臣君があたしから視線を逸らしてくっと喉で笑った。


「……???」

「あんた、本当男に慣れてないんだな」


反応がもの凄ぇ面白い。


そう言って笑い始めた一臣君にあたしはカァーッと赤くなってしまう。

もしかして、いやもしかしなくても、あたし、今


(からかわれたんだ?)


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