他校の君。【完】


からかわれたと分かって絶対真っ赤になってると思うあたしの顔。

そんな自分の顔を隠すように俯いて


「…一臣君の言う通り、…男の子慣れしてないから、出来れば…こう言ったイジワルは…」


あたしは小さく呟く。

だって、恥ずかしい。

今まで男慣れしてないなんてからかわれた事が無い。

と言うか、男の子とあんまり話した事が無い。

幼なじみの雪は男の子だけど、そう言う対象じゃないし、お兄ちゃんだってもちろん違う。

一臣君と話せたのだって最近。

だから…


「…イジワルなんかしてねぇよ?」


ー…からかって楽しんでるだけ。


そう言われて、あたしはますます赤くなってしまう。


「それを、イジワルって言うんじゃないの?」

「そうだっけ?」

「………」


どうやら知らない一臣君を少しだけ知る事が出来たみたい。

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