他校の君。【完】
目を丸くして驚いてしまうと、
「なんで香澄ちゃんと手ぇ繋いでんだよ!なんでさりげに仲良くなってんだよ!ってか、なんで一緒に来てんだよ!!」
武君は頭を抱えて叫んだ。
何かオーバーな反応だなぁ。
「あぁ、俺ら付き合う事になったから」
「……は?」
「……へ?」
一臣君の驚きの言葉にあたしと武君はビシリと固まる。
(…え?つ…?)
付き合…
「付き合ってるってどういう事だよ!!」
一足早くあたしより先に我に返ったらしい武君に一臣君がニヤリと口角をつりあげた。
「嘘」
「~っ!一臣!お前!」
嘘だと言われて、騙された事に武君は少し怒ったけれど一臣君は全く気にしてないみたい。
「武が本気ならからかわねぇよ」
「俺はいつでも本気だ!」
「…へぇ、本気ねぇ」
一臣君が武君をジーッと見つめると、武君はバツの悪そうな表情を浮かべた。