他校の君。【完】


「で、いつまで繋いでんの?」


チラリと武君があたし達の手に視線を落とす。

すると、一臣君の手にちょっとだけ力がこもり、ギュッと握られた。


「………っ!」


カカァ~


また赤くなる顔。


「ははっ。赤くなってる。面白っ」

「…か、からかわないでって言「われてない」


自分が言おうとした言葉とは逆の事を言われて、へ?と瞬きしてしまうと、一臣君はゆっくりと口角をつりあげた。


「イジワルすんなとは言われたけど、からかうなとは言われてない」

「……っ!!」


ニヤリと笑う一臣君に


「イ、イジワル!」


つい叫んでしまうと、


「ははっ!頬っぺた真っ赤」


本当面白いと凄く愉しそうに笑われてしまった。

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