他校の君。【完】
着いた待ち合わせ場所。
手は未だ一臣君と繋いだまま。
嬉しいけど照れちゃって、自分達の手を直視出来ない。
そんなあたしを見て愉しんでるらしい一臣君は本当にイジワル。
「おはよ!香澄」
一臣君に恥ずかしがっていると、友達のみっちゃんがこっちに向かって歩いて来た。
「みっちゃん!おはよう。後、ありがとう!」
お礼を言いながら、みっちゃんの所へ走って行こうとすると、
グイッ
「………!!」
手を後ろから引っ張られたような感覚がした。
(そうだった)
あたし、一臣君と手を繋いでるんだった。
またカカァッと赤くなってしまう頬。
一臣君に赤くなったのがバレてないかとチラリと様子を見ると、
「はは!」
空いた方の手で口元を覆い、あたしから視線を逸らして笑っていた。