他校の君。【完】
ー…
………
「じゃあね~」
一臣君をジロジロと見てあたしをからかうだけからかってから、バイバイと手を振って次々と電車を降りて行く友人達。
一臣君の友人らしき人達も次々と降りて行く。
あたしと一臣君の降りる駅は一番最後で、その駅からまた電車が折り返す。
だから、乗客はどんどん減る一方。
座イスに座り、ガタン、ガタンと揺れる電車の音を聞きながら、あたしは俯いて寝たフリをする。
本当は好きな人を目で追ってしまいそうになる。
けれど、この狭い空間の中で一臣君に見惚れてしまったら、『あいつ見てる』とか思われて、嫌がられちゃうかもしれない。
こんなの考え過ぎで、あたしの事なんてきっと気にも止めてないに違いないと分かりつつ、
一人意識しちゃって、どこに視線を向けたらいいか分からない。
だから、あたしは俯いて寝たフリをし続けた。