他校の君。【完】
「分かりにくい?そんな風に思った事ないけどなぁ…」
あたしの話を聞いたみっちゃんはあたしをじーっと見つめる。
「まぁ、何はともあれ、応援してるね?…雪には悪いけど」
「雪?」
なんで雪には悪いの?
首を傾げてしまうと、みっちゃんに、またなんでもないよ、と言われた。
「???」
雪がどうしたんだろう?
何でもないよ、と言われたものの、気になるのは気になる。
だから、雪の事を考えようと意識を傾かせようとしたら、
「香澄」
「あ、一臣君!!」
一臣君の嬉しい登場に、あたしは雪の事を一瞬で忘れてしまった。