君は僕のお姫様  〜紫月妖怪退治〜
待ち伏せされていた。
罠だったのか?


地べたに這いつくばったまま、マーナオは暗い屋敷の奥をねめつける。

先程の声の主は姿を見せない。
だが、こちらをうかがっている視線は感じる。


バレたらコウなる事は分かっていた。…だから、
「むらさきは無事か?」
あれには悪いことをした。


屋敷の中の人物の気配が一瞬たじろいだ。

ややあって、
「お目出たいね。
自分より人の心配?」
そう言いながら奥から現れた人物。
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