君は僕のお姫様  〜紫月妖怪退治〜
痛みを堪えるマーナオを見ても、ゆかりの表情は変わらない。

印が端から端まで紅に色付くのを待ちながら、
「その印を打つのに随分と時間が掛かったな。
まぁ、満月前に打ち終わって良かったよ」
そう呟いた。

マーナオはゆかりを見上げた。
焼け付く全身の傷みよりも、その言葉が鮮血を吹く傷を深々と穿つ。
「…むらさき…」

泣いたように歪むマーナオの顔を、ゆかりは冷たい目で見ている。

そして、
「女の姿に油断してくれて助かったよ」
トドメを刺すようにゆっくりと告げた。
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