君は僕のお姫様  〜紫月妖怪退治〜
マーナオは露骨に嫌そうな顔をして、
「お前か…」

「お前、僕の使役になった事理解していないだろう」
ゆかりは苛ついたように言い。

「傀儡になった覚えはないな」
マーナオは言い返す。

マーナオが自覚出来るのは、結界と魔力不足ぐらいなもので、意識制限などをされている感じはしない。
ゆかりが持ってきた灯りで見れば、部屋は木板で作られている。足音といい、広い屋敷の一角と思われる。
マーナオに物理的な拘束は無く、全ての結界がこの部屋にあるレベルなら、もう少し力が戻れば脱出は容易そうな状態だ。

さて、どこまでが罠なのか。


ゆかりはため息を一つつき、
「まあ、それは後で良いだろう。
今日は十七夜だ。明日は十八夜。
おまえなら動けるな?」
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