君は僕のお姫様 〜紫月妖怪退治〜
翌日の夕過ぎに叩き起こされたマーナオは、また術をかけられ牛車に詰め込まれた。
昨日の今日で、また術だ。本人には約束のつもりはないのかもしれないが、
―コイツは嘘吐きだ。
マーナオが無性にイライラして同じ牛車に乗っているゆかりを睨んでいると、
ゆかりは余裕の有り余った仕草で微笑み返した。
むらさきと同じ顔で、全く逆の事をやってのける。
さらに腹立たしさが増し、気力で顔を逸らした。
昨日とは打って変わって、ゆっくりならば色々と動かせるのだが、声が一向に出ない。
皮肉や文句の一つでも言ってやれれば、まだスッキリするものを。
昨日着せられた直垂が慣れない分鬱陶しく、
牛車の独特な振動が気持ち悪い。
昨日の今日で、また術だ。本人には約束のつもりはないのかもしれないが、
―コイツは嘘吐きだ。
マーナオが無性にイライラして同じ牛車に乗っているゆかりを睨んでいると、
ゆかりは余裕の有り余った仕草で微笑み返した。
むらさきと同じ顔で、全く逆の事をやってのける。
さらに腹立たしさが増し、気力で顔を逸らした。
昨日とは打って変わって、ゆっくりならば色々と動かせるのだが、声が一向に出ない。
皮肉や文句の一つでも言ってやれれば、まだスッキリするものを。
昨日着せられた直垂が慣れない分鬱陶しく、
牛車の独特な振動が気持ち悪い。