君は僕のお姫様  〜紫月妖怪退治〜
ゆかりが少しホッとした声になって、
「人間の思考で操れば、さぞ高い技能の求められる事と思います」
父の言葉を受けて繋げた。

「思考や知恵。判断は本人にさせます。その方がよく動けるでしょう?」

会場がざわつく。
その考えが無かったというよりは、それを如何にして実現したのかがざわめきの内容だった。

そして動揺は、明かりの中の連中より陰の連中の方が強い気がした。

なるほど、
本人は次期当主と名乗ったが、それは事実ではなく望みや目標であったらしい。
わざわざ時間と労力を割いてマーナオを謀ったのはその為なのだろうか。
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