君は僕のお姫様 〜紫月妖怪退治〜
宴席の前庭が力試しとやらの為、片付けられてゆく。
術を付け替えながら、ゆかりは開口一番きいた。
「驚いたか?」
―どれのことなんだか。
マーナオが反応しないでいると、
「小さな声ならば出せるようにしておいた。身体も殆ど自由だろう?」
符を打ち直したゆかりが言った。
ゆかりのその言葉に、マーナオは腕を少し動かす。
「器用なモンだな」
か細い声しか出なかったが、内緒話には十分だろう。
「だが、身体の自由は余計だったんじゃねぇか?
お前の術より俺がその細首へし折る方が速いぞ?」
言うが早いかマーナオの片手がゆかりの首に添えられる。
ゆかりは眉一つ動かさず、皮肉を込めて告げる。
「聞いてはいなかったかな。
お前に打ち込んだ術には、僕が死ねば僕の血縁に権利が移るように書き込んであるよ。
それは恒久的な効力を持つ」
恒久とは初耳だが、そんな言葉に脅されるマーナオではない。
ニヤリと笑いながら、
「お前を殺して即座に逃げる。俺なら一晩で百里は行けるぞ」(※一里は約560m四方の土地の事 百里なら直線で約56km対角線だと79km)
誇張はなしに脅した。
術を付け替えながら、ゆかりは開口一番きいた。
「驚いたか?」
―どれのことなんだか。
マーナオが反応しないでいると、
「小さな声ならば出せるようにしておいた。身体も殆ど自由だろう?」
符を打ち直したゆかりが言った。
ゆかりのその言葉に、マーナオは腕を少し動かす。
「器用なモンだな」
か細い声しか出なかったが、内緒話には十分だろう。
「だが、身体の自由は余計だったんじゃねぇか?
お前の術より俺がその細首へし折る方が速いぞ?」
言うが早いかマーナオの片手がゆかりの首に添えられる。
ゆかりは眉一つ動かさず、皮肉を込めて告げる。
「聞いてはいなかったかな。
お前に打ち込んだ術には、僕が死ねば僕の血縁に権利が移るように書き込んであるよ。
それは恒久的な効力を持つ」
恒久とは初耳だが、そんな言葉に脅されるマーナオではない。
ニヤリと笑いながら、
「お前を殺して即座に逃げる。俺なら一晩で百里は行けるぞ」(※一里は約560m四方の土地の事 百里なら直線で約56km対角線だと79km)
誇張はなしに脅した。