君は僕のお姫様 〜紫月妖怪退治〜
マーナオが自由になった身体で庭に降りると、ゆかりから「姿勢良く!」と小声で叱責が飛んだ。
魔性に人間の価値観を求めるなよ。と、思ったものの、
ゆかりの力加減を真似て立つ。
膝が妙に近いし、やや前傾になっている気がしたが、無理なわけではない。
しばらく歩いて気付く、以前と違い袴が纏わり付かないのだ。
この衣服の時は動き方にも気を配らなければならないらしい。
ざくざく足音を立てながら庭の半ばに出ると、
向かいに音もなく四つ脚の青黒い獣が現れた。
瞳は淡い青で、
獲物を前にした獣の其れでは無く相手を測る為の知性のこもった視線をマーナオに向ける。
空気が心持ち冷えて、風が起こったように震えた。
魔性に人間の価値観を求めるなよ。と、思ったものの、
ゆかりの力加減を真似て立つ。
膝が妙に近いし、やや前傾になっている気がしたが、無理なわけではない。
しばらく歩いて気付く、以前と違い袴が纏わり付かないのだ。
この衣服の時は動き方にも気を配らなければならないらしい。
ざくざく足音を立てながら庭の半ばに出ると、
向かいに音もなく四つ脚の青黒い獣が現れた。
瞳は淡い青で、
獲物を前にした獣の其れでは無く相手を測る為の知性のこもった視線をマーナオに向ける。
空気が心持ち冷えて、風が起こったように震えた。