君は僕のお姫様  〜紫月妖怪退治〜
「まあ。蹴りの方が威力が有るな」
言ってみるが再び返事が無い。

目の端で見れば、当主に何事か話す姿が見えた。

それは無理だろう。清媛は「殺す気でいく」と言った。当主の命で。


「知ったかい?」
清媛が話し掛けて来た。
「アイツの見当が当たりならね」
マーナオが返すと、
「退くのかい?」
「ありゃ無理だろ?」
チラリと屋敷に顎を降り、
「それに」
ゆかりは『構え』と言ったか。よくは分からないが、脚に力を入れてみる。

「俺にその気はねぇよ」

マーナオの構えもどきに、清媛も構えをとり、気温がさらに冷えてゆく。

もし今制止が来ても、二人は確実に従わないだろう。
マーナオは毛が逆立つような感覚を覚えた。
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