君は僕のお姫様  〜紫月妖怪退治〜
清媛の周囲が凍り付く、温度差は清媛に向かって風を生み出し、清媛は体内に溜めた冷気を周囲、特に前方に集めた。

冷気の発射か、周囲を氷の世界にでも変えるのか。

マーナオは駆けた、肉体に力を乗せた走り。


真っ直ぐに向かって来るマーナオに、清媛が力を向ける。

前方に集まる冷気は水分が分かれる前に、土も空気も諸共に凍らせ、白の世界に変えて行く。

皮膚も凍りひび割れる中、マーナオは真っ直ぐに駆ける。


清媛は気付いたのだろう、マーナオは技の完成前に仕掛ける気だと。
そして、否定したのだ。
無理だ。辿り着ける訳がない。と。
それは紛れもなくマーナオを自分の尺度で決め付けて下した評価。
清媛はマーナオ曰わく『舐めた目』をしたのだ。


マーナオは駆ける。
一蹴り毎に速度は上がる。

倍速に等しい加速。

マーナオはブレずに一直線に清媛に向けて駆けた。
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