君は僕のお姫様  〜紫月妖怪退治〜
屋敷に戻れば当主がどことなく上機嫌のようで、再び上座に案内された。
但し、今回は当主の前だが。


「うむ。遜色ない使役を得たようだな」
「有り難う御座います」

次郎の件は不問なのか、見せ付けねばまだまだけしかけられていたかもしれない。

「これから一人前の祈祷師として、よりいっそう励め。期待している」
「はい!」
当主とゆかりはその後業務の件などを話し始め、
マーナオは暇を余して辺りを見回した。

気配を飛ばせば早いが、何をされるか分からない所がある。
しかし、殺気の大半が形を潜めたのは分かった。

マーナオに噛み付く実力の有るモノは一部か。それともゆかりを認めたか。
マーナオが倒されていたら次の使役を得るまでゆかりは半人前な訳だから、それの阻止を諦めただけか。

ふと気付く。
当主のように数を揃えれば良いのではないか?
魔性、妖、変化、鬼、鬼怪。派生元は様々で、力も区々だ。
相性もあるだろう。
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