君は僕のお姫様  〜紫月妖怪退治〜
「では、宴の続きだ」
当主が声を張り、マーナオは話が終わった事に気付いた。

「庭はそのままに、好きに手合わせでも致せ」
やはり当主はご機嫌のようだ。
それはそうか、跡取りが華々しく(?)実力を示したのだから。


「立てるか?マーナオ」
ゆかりに言われて気付く。脚の氷は全て溶け、痛々しく赤くささくれている。

「どうかな」
動かなくても動かすつもりだが、そう言ってやる。
ゆかりは素直に受け取って、当主に手当を理由に退席を告げた。


マーナオの右肩を支えようと、ゆかりが腕を回すので、
「肩は要らない。自力で歩く」
拒否したが、
「令。肩を預けろ」
「お前。ここで使うかよ」
術には抗えない。
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