Heavenly white
気持ち
「おーい、聞いてんのかよ!」
ぼーっと桐生を見ていると、頭を叩かれた。
痛い…この暴力女!
「痛えな!」
「そっちが答えないからでしょ?で、何やってんの?」
桐生もしゃがみこみ、俺の目線に合わせた。
目がバチッと合うとまた、心臓が跳ねて俺は目をそらした。
「…草取り」
「裕樹にやらされてんだ~後藤も大変だね」
高山のことになると妙にうれしそうな顔をする桐生。
それが、ムカついた。
その顔がムカついた。
高山のことを考えているこいつにムカついた。
そんなことを考える俺にもムカついた。
「…そんなに、高山が好き?」
気付いた時にはそんなことを口走っていた。
「…後藤には関係ないでしょ?」
関係ない。
そう、俺には関係ない。
別に、こいつのことが好きなわけじゃない。
なんで知る必要があるんだよ。
別に…好きじゃ、ない。
「だよな。」
「裕樹はあたしなんかもう、眼中にないよ…」
「…それはないんじゃねえの?あいつはそんな奴じゃねえ」
「あんたに何がわかるわけ?人もろくに好きになったことないくせに!」
何もわからない。
思考がついていかない。
俺は、こいつを本気で落とそうとしてないからか。
頭痛え。
わけわかんねえよ。
「…俺は…わかんねえんだよ。この感情が」
お前に対する、この気持ちが。
誰か教えてくれよ。