Heavenly white
「な!どうだった!?」
昼休憩が終わり理科の移動で教室を出ると
信樹が嬉しそうに話しかけてきた。
「…なにがだよ」
たぶん、さっきの事なんだろうけど。
俺はさっきの時間、いつも自分を保つのに精いっぱいであまり会話もできなかった。
楽しそうに話す桐生が可愛いって思ったし、
ただそれだけでもいいって思った。
「優季がな?楽しそうに見えなかったってすねてた」
「俺もともと無愛想じゃん」
「イチが無愛想なのは知ってるけどあれはねえよ、女の子の前くらい笑えって」
俺は…笑うのが苦手なんだよ。
今更直せって言われても楽しそうに笑うことができない。
不器用すぎるって俺でも思う。
バカだよな…
「俺は…本当に信樹が羨ましいな」
恋愛ってホントなんなんだよ…