Heavenly white
冷たい手
興味
「イチ~付き合って!」
勝手にしろ。
「イチって付き合ってもつまんな~い」
大きなお世話だ。
「マジ最低なんだけど!!」
「別れる!」
…どうでもいい。
俺が今まで付き合ってきた女は、数知れず。
全く同じパターンで別れを告げられる。
俺は別に付き合っても構わない、別れるのも勝手にすればいい。
所詮は自己満足なんだから。
俺には関係ない。
来るもの拒まず、去る者追わず。
何年これを繰り返しただろうか…
俺は何も悪くない、勝手に女がキレて俺がはたかれて、別れる。
その繰り返し。
「イチもよくやるよなあ」
信樹はよく俺を笑いものにする。
信樹だって同じようなものだろ。
適当に付き合って、別れる。
俺となんら変わりはない。
「…お前に言われたくねえよ」
「今度は誰が一カ月越えるかな?ま、ありえねえな!」
だから、お前に言われたくねえんだよ。
女なんて感情に振り回されるだけの生き物なんだ。
単純というか、好きと言ったと思ったら、何が気に入らなかったのか
怒り出して、しまいには泣いて済むと思っている。
最初は動揺したけど、今となったら何にも思わない。
「お前もさ、ちゃんとした恋愛しようとか思わないわけ?」
「…黙ればーか」
「はああああ!?」
ちゃんとした恋愛なんかしたことない。
まともな恋愛もしたことなければ、初恋もまだ。
まだ、中3だし今からまともな恋愛をする気もない。
だから、俺にとったら恋愛なんてわからない。
古典よりもわからない。
知っているのは、キスとセックスのやり方くらい。
俺の童貞も、姉貴の友達に中1で奪われた。
愛だの、恋だのって、何かの役にたつのか?
ただの恋人ごっこだろ?
「信樹はどうなわけ?」
「聞いて驚け!俺、好きなやつできたんだ」
「…キモい」
「うるせー、ま!脱女遊びみたいな」
信樹らしいな。
満面の笑みで、俺に笑いかけた。