Heavenly white
「そんだけ?」
「は?何その上から目線。少し顔がよくてモテるからって言動と態度に気おつけたら?」
「優季~機嫌直せよ!な?」
「直らない!…後藤、あたしの日直のとき代わりにやってよね!サボったら二度と人前にでれない顔にしてやる」
そう言い残して、自分の席に戻った。
女らしさのかけらもない奴だ。
今まで付き合ってきた女のが色気はあった。
比べてあいつはなんだ、ただギャーギャー騒ぐ猿みたいだった。
「なあ、イチさあ優季のこと知らねえの?」
「知らない」
「優季は男嫌いで有名だぜ?唯一優季を落とした高山だって一カ月もたなかったっていうし?あいつもああ見えて可愛いからモテるんだよな」
「…そういえば桐生と親しげだったけどさ、仲いの」
「ああ…1年の時同じクラスで仲良くなったってわけ」
「男嫌いなんだろ?てか、好きな人はどうした」
「2年になってからだよ、あいつの男嫌いは。それと、好きな人は優季の親友」
信樹の見え見えな魂胆。
桐生利用しようとしている。
俺は明らかに、桐生に毛嫌いされれいる。
別に構わないけど…
ただ胸が痛かった。
なんなんだ?
これは…
痛えよ。
「あ、試しにイチさ落としてみろよ!優季」
「……なんで」
「今、彼女いねえだろ?この機会にさ、優季好きになればいいじゃん!そんで親友チャンを紹介よろ」
だから、見え見えだ。
落とすのは別にいいけど、好きにはならない。
意外とああいう気の強い女は、簡単に落ちる。
…あの奥手な高山を落としたんだ、なんとかなる。
俺は、何を本気になっていると思ったけど別にどうでもよかった。
俺は自分の席から見える彼女を眺めていた。
桐生は友達らしき奴と笑って会話していた。
さっきまで無愛想にしていたのがウソみたいに笑っていた。
一回、目が合ったけど一瞬睨まれてすぐに反らされた。
やりがいのありそうな女。
心の中で笑った。
まさか、マジで好きになるとは思わなかったけどな。
「信樹、俺桐生落としてみる」
最初はただ見返すため、そして興味。