Heavenly white
揺らいだ心
昼休みに高山のクラスに行ってみた。
高山は最近彼女ができた。
信樹の話だと桐生と別れて、彼女をつくってはいなかったみたいだった。
あいつは同じ部活で、サッカー部の部長をしている。
高山は元々、まともな人間で優しいし、付き合ってるっていっても俺らと違ってまともに真面目に付き合っている。
そんな奴だった。
「たーかやま」
高山は彼女と一緒に昼飯食っていた。
俺に気付いた高山は俺に所にやってきた。
「なーに?後藤」
「聞きたいことあんだけど」
「聞きたいこと?」
「おう…桐生優季のこと知ってるよな」
「元カノだけど」
「俺、桐生のこと好きになった、そんで…情報もらおうかなって」
俺は大嘘つきだ。
好きなんて…
こんな冗談高山に通じるかわからないけど。
「…ふぅん。優季はやめたら?優季は俺のことまだ好きなはずだよ?」
「なんだよ、その見えない根拠」
「今にわかる。俺たちは別れたくて、別れたわけじゃない。お互い好きすぎたんだよ。…俺はもう考えないって決めたけどね?」
お互い好きすぎた?
別れたかったわけじゃないのに、なんで高山は今付き合ってるんだ?
そんな簡単に吹っ切れるもんなわけ?
「後…優季は、男が嫌いなんじゃないよ」
そういうと高山は彼女のところに行ってしまった。
最後に言った言葉にどんな意味がわからない。
あの時俺を睨みつけてきたのは嫌いだからだろ?
俺みたいな奴が桐生は嫌いなんだ。
裏切るから、関わらない?
バカバカしい…
それは、ただ逃げてるだけ。
「イチーどうだった?」
「収穫ゼロ。…でも、高山たちは別れたくて別れたんじゃないんだと」
「はあ?理由あんのかよ」
「…知らねえ。…後、桐生は男が嫌いなんじゃないって言ってた」
「じゃー優季はなんで変わったんだよ」
「知るか…俺はそんなのどうでもいい。」
俺は自分の運命を知れたらどんなに良かったか、後で後悔した。