Heavenly white

目がさめれば、授業は終わっていた。
なんだったんだ?
さっきの夢は…

桐生の夢?

俺は彼女の夢を見たのか。

なんで。

「イーチ!」

顔をあげると至近距離に信樹がいた。

「…キモいからどけ」

「あーごめんごめん!…それよりかなり爆睡だな!もう放課後だぜ?」

放課後…
俺は2時間もねていたってことか?
確かに時計を見れば、もう放課後だ。

「部活いくか」

「そーだな!いかねえと高山に今度こそ殺される!」

そんな気分じゃないけど、この気分を変えるのに部活は丁度いい。

俺たちは部室に向かった。
行くと、ほかのレギュラーがびっくりしているのか一瞬動きが止まった。

「イチ先輩、ノブ先輩!久しぶりじゃないッスか!」

二年の後輩の遼。
サッカー馬鹿な二年レギュラー。
高山のお気に入りでもある。
なぜか、俺たちに懐いてる弟みたいな可愛い奴。

「遼久々~」

信樹は遼に飛びついた。
半分首絞めてる状態だ。

「ノブ、後藤?いつまでサボってる気だったんだ?」

さぞご立腹な高山クン。
部長の威圧すごい…いつにも増して怖いなあ。

「今日はボールに触らせねえからな!…そうだな、グランドの周りの草取りでもしてきたら?」

そう言い残すと、ほかのレギュラーを引き連れて行ってしまった。
遼も俺の肩をポンとたたいて行ってしまった。

取り残された、俺たちはしぶしぶ草取りをすることになった。

「…やってらんねえ!」

開始1分足らずでギブアップ。
信樹は俺を置いて、どっかに行ってしまった。
どこいってんだよあいつは…


「何やってんの?」

振り返るとそこには桐生がいた。

俺は、なぜか心臓が跳ねた。

「…ねえ何やってんの?」


その声でしゃべるな…

―ドキン…。
< 9 / 21 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop