Heavenly white
目がさめれば、授業は終わっていた。
なんだったんだ?
さっきの夢は…
桐生の夢?
俺は彼女の夢を見たのか。
なんで。
「イーチ!」
顔をあげると至近距離に信樹がいた。
「…キモいからどけ」
「あーごめんごめん!…それよりかなり爆睡だな!もう放課後だぜ?」
放課後…
俺は2時間もねていたってことか?
確かに時計を見れば、もう放課後だ。
「部活いくか」
「そーだな!いかねえと高山に今度こそ殺される!」
そんな気分じゃないけど、この気分を変えるのに部活は丁度いい。
俺たちは部室に向かった。
行くと、ほかのレギュラーがびっくりしているのか一瞬動きが止まった。
「イチ先輩、ノブ先輩!久しぶりじゃないッスか!」
二年の後輩の遼。
サッカー馬鹿な二年レギュラー。
高山のお気に入りでもある。
なぜか、俺たちに懐いてる弟みたいな可愛い奴。
「遼久々~」
信樹は遼に飛びついた。
半分首絞めてる状態だ。
「ノブ、後藤?いつまでサボってる気だったんだ?」
さぞご立腹な高山クン。
部長の威圧すごい…いつにも増して怖いなあ。
「今日はボールに触らせねえからな!…そうだな、グランドの周りの草取りでもしてきたら?」
そう言い残すと、ほかのレギュラーを引き連れて行ってしまった。
遼も俺の肩をポンとたたいて行ってしまった。
取り残された、俺たちはしぶしぶ草取りをすることになった。
「…やってらんねえ!」
開始1分足らずでギブアップ。
信樹は俺を置いて、どっかに行ってしまった。
どこいってんだよあいつは…
「何やってんの?」
振り返るとそこには桐生がいた。
俺は、なぜか心臓が跳ねた。
「…ねえ何やってんの?」
その声でしゃべるな…
―ドキン…。