一枚の壁
しばらくしてから私が口を開いた。
「うちに来る?
パパに報告しないと…」
『そうだな。
親父さんの反応が怖いけどさ…
幸せになろう。
俺達には大切な天使がいるんだから』
「えぇ、ハンス」
家に着くと珍しくパパが帰ってきていた。
『おぉ!
ハンスか!!
元気か?』
『お陰様で元気です。
今日は休暇を取ってきました。
親父さんに2つ報告があります…』
『なんだ?』
『俺、上等兵になりました。
あと、クリスティーナが俺の子を妊娠しました。
クリスティーナと子供なら養えます。
クリスティーナと正式に結婚させて下さい』
そういってハンスは頭を下げた。
『許さん』
「…パパ!!
どうして?」