一枚の壁
「こんな時に言うのはどうかと思うんだけど…
フェルディナンドが会いたがってるの。
私は兄の気持ちを考えたら会ってあげてほしい…
でもあなたに無理強いはしないわ。
あなたがハンスさんを愛している事は知っているから」
「会えないわ……
会ったらあの人は優しいから私は頼ってしまう。
こんな時代だから、誰の重荷にもないたくないの」
「クリスティーナ…
あなたはやっぱり素敵ね」
「エリザ、そんな事ないのよ。
私は欲深くて最低だもの」