一枚の壁
次の日
「ルドルフ。荷物はこれだけ?」
「怒らないでね。
昨日の夜にいらない僕の玩具は質屋に持って行って処分したんだ…
イギリスに行くまでにいくらお金がかかるかわからないし、お姉ちゃんの身体にもしもの事があったらお金は少しでも多い方がいいでしょ。」
「ルドルフ…
ありがとう。お姉ちゃんもハンスにもらった金時計をフランに替えてもらったわ。
1ヶ月はご飯に困らない価値があったのよ」
「ハンス兄ちゃんにもらったものなのに、いいの?」
「えぇ。仕方ないし…」
「悲しいけど仕方ないね!
無事イギリスにたどり着けたらもう心配する事はないから、頑張らないと。お姉ちゃん」
「そうよね!」