一枚の壁
家に着くと…
パパが仁王立ちをして、玄関に立っていた。
『クリスティーナ。
今、何時だと思ってる?』
「パパ、ごめんなさい!」
『お義父さん…
俺が悪いんです。
お話しがあるので、家にあげてもらえませんか?』
『ハンス…
まぁ、あがりなさい』
パパと私とハンスは、家に入った。
なにも知らないルドルフは、
《ハンス兄ちゃん、
遊んでよ!》 などと言っている…
『話とは、何だ?』
『俺、クリスティーナが好きなんです。
正式にお付き合いしたいと思っています。
許してもらえませんか?』
ハンスが震えている。
パパは眉をひそめた。
『軍人に娘はやらん!!
それがお前でもな…』
「パパ…
私もハンスが好きなの」
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