一枚の壁







「私はお前が気に入ったよ。

もう少し、大きくなったら、正式にイギリスに留学しないか?

優秀なら、ケンブリッジ大学で奨学生になれるよ。

私のようにな。


私はイギリスに帰化したが、出身はドイツだ」








「おじさんが?」







「あぁ。

正式には、ユダヤ系ドイツ人。

私はユダヤ人なんだ。」























この時はわからなかったけど、これは僕の人生を変える出会いだった。






< 196 / 202 >

この作品をシェア

pagetop