一枚の壁












アイツとは…


パパの事だ。














「おじさん、心配しないで。

パパには、ハンスが説得してくれたから」













『けどクリスティーナ。




アイツは、


ナチ嫌いだ…



戦争を憎んでる』















『おじさんが俺につけた、条件のなかに

死なない事がある』
















『そうか。






アイツらしいな。』















「おじさん、ごめんなさい。


うちのパパは頑固で…





ハンスにも迷惑を…」













『アイツの事なら、マリアさんよりわかってるつもりさ。




だから、大丈夫。






ハンスは死ぬ気でクリスティーナを守るだろう。





だけど、今からは冬の時代だ…』












「覚悟しています」









『そうか…』









.


< 33 / 202 >

この作品をシェア

pagetop