一枚の壁















それからの一週間は、忙しく…


過ぎて行った。











でも私は学校にも行かないといけなかった…









「おはようございます」


久しぶりに学校へ行った。





『おはよう!!
クリスティーナ』








親友のエリザが声をかけてくれた。



「エリザ…
連絡してなくてごめんなさい。」





『いいのよ。
それより何かあったの?』









「驚かないでね…………



私、婚約したの」





『ウソ!(笑)』



「本当よ!(笑)」







『相手は?』







「今は国防軍の兵士。
ナチスで…

幼なじみのハンス・ブロイルっていうの」




『意外…
クリスティーナはナチスが嫌いじゃなかった?』





「嫌い、いや好きではないかしら」




『何故そんな方と?』





「彼に幼い頃から、憧れてた。
初恋の君に告白されて、婚約したの…

いざとなれば、彼の職業なんて関係ない」




『あなたらしいわね。
私は祝福するけど…
フェルディナンドが落ち込むだろうな』




フェルディナンドさんは、エリザのお兄さん。




「フェルディナンドさんが?」






『そうよ(笑)
フェルディナンドはクリスティーナが好きなんだから。

知らなかったでしょ?』




「うん。」





『フェルディナンドは、クリスティーナが好きだから雨の日に私を迎えに来て、クリスティーナを車でおくるのよ。』






「でも…
そんな素振り」



『フェルディナンドは見せてないわ。
クリスティーナにはね。


だけど、私には手に取るように分かるの。
アイツの気持ち。
私が男なら、あなたを好きになってたもの』




.

< 49 / 202 >

この作品をシェア

pagetop