一枚の壁














「私は、そんな魅力的な人間じゃないわ」












『クリスティーナ!
鏡を見たことないの?(笑)

あなたは金髪碧眼・・・
ヒトラー総統閣下の仰っている純粋なアーリアンの外見なのよ…


私は茶毛に碧眼。



ナチの兵士ならあなたを自分の出世に利用するかもしれない。

大丈夫な方なの?』












「安心して。。
彼はそんな人じゃない。

遠征も今回が初めて」







『…出征されるの?』









「ええ。」





『どこに?』





「ラインラントに進駐開始になったのは知ってるわよね?」







『ええ。

ラインラントへ?』






「そうなの…」







『危険よ!

アメリカ・フランス・ソ連はヴェルサイユ条約に反していると、言ってくるわ・・・ きっと。


そうなれば、ラインラントは危険な地になる』







「やはりエリザは知的ね…

私とは違って頭が良いわ。



私は気がつかない振りをしてるの、危険だという事に…」






『私もあなたの立場に立つとこんなに冷静ではいられないと思う。

よくクリスティーナは耐えているわ。
でもこれから…』




「わかってる。

もっと危険になるわ」










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