一枚の壁
車の中で、気まずい空気が流れていた。
そうこうしてるうちに、家についた。
「フェルディナンドさん、エリザ…
いつもありがとう」
『ごめんね。
フェルディナンドの事で気まずい想いをさせてしまって…』
エリザが小声で言った。
「そんな事ないよ。
ハンスに出会ってなかったら、私…
フェルディナンドさんを好きになってたかもしれないぐらい、フェルディナンドさんは素敵な方だから」
私も小声で言った。
『さぁ、家に着いたから二人ともさよならして』
「はい。
今日はありがとうございました…」
『今日、僕が言った事は気にしないで。
今まで通り、親友の兄さんでいいから…
クリスティーナに会えなくなるのが寂しいし』
「わかりました。。
私もお友達として、フェルディナンドさんが好きですから…
エリザ、また家に来てね」
『クリスティーナ。
うん、またね!』
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