一枚の壁
「私ね、
私…
妊娠したの」
『え!!
本当?』
「えぇ」
『嬉しいな!!
身体は大丈夫か?』
「つわりは軽い方みたいだけど、乗り物酔いとかが酷いの…
でも大丈夫よ」
『そうか…
俺、今から休暇を取って帰る』
「ダメよ!!
兵士が任務の途中で休暇を取るなんて」
『君に逢いたくて俺は狂いそうだ。
だから帰る!
俺、まだこの作戦に入ってから休暇取った事ないし。
すぐに帰るよ』
「ハンス…
ありがとう。
愛してる」
『俺も愛してる』
私達はそう会話して電話を切った。