valentine×kiss×2
私はチョコを売り場に届け、「一番(トイレの事)行って来ます」と慌てて女子トイレに駆け込んだ。
鏡に映る私の顔は、ほんのり赤く、興奮してるのを隠せないでいた。
「あ…」
右後ろの首筋にピンク色の小さいアトが…。
「あのヤロー!! 本当にキスマーク付けたな!!」
怒りが隠せない私だったけど、売り場に戻らないといけない。
考えたあげく、アップにしていた髪を後ろだけ下ろし、バンダナをまき直した。
これで見えないよね?
確認した後、私は売り場に戻った。
その後のフロアの雰囲気が微妙だった事に沙江美は気付いてなかったけど。
チラチラと見えるキスマークを見てる2人の目は、怒りと悲しみと嫉妬に燃えていた。